2017年10月 1日 (日)

フェルマーの最終定理 サイモンシン

Fermatslasttheoremフェルマーの最終定理というのは

2より大きな自然数nについてx^n+y^n=z^nを満たす整数x,y,zの組は存在しない。


というもので、17世紀にフランスでフェルマー氏が予想したものである。本人は証明したというメモを残してはいたが、その証明はどこにも見つかっていないものである。したがって証明されておらず、最終定理ではなくフェルマー予想と呼ぶのが正しいものである。これが350年に渡り、いかなる数学者も証明することが出来なかった超難問なのであるが、これをついに証明するアンドリューワイルズの苦悩に満ちた研究を描いた冒険小説である。あえて冒険小説と言ってみた。最終到達地点が明らかにされているが、歴史上誰一人として到達できていないゴール地点である。そこにたどりつくための道が全く見つからない荒野を全知全霊を駆使してなんとかルートを切り開いてやっと到達するという話なので冒険小説といってもいいはずだ。これはエベレストに最初に登頂する登山家の冒険に似ているし、月に初めて到着しさらに戻ってきたアポロ計画にも似ている。数学と冒険小説なんて結び付きそうにないとは思ったが、この本を読んで未知に挑戦するのは冒険だということが良くわかった。数学の証明というのは1mmたりとも隙があっては無意味なもので、誰にもケチをつけられない完璧な論理でなければならない。完璧だと思われていた証明に小さな傷が見つかって、結局失敗したりした先人達の歩みを研究しながら、数論の中で離れた領域の研究成果に橋を渡したりしながら幅の広いスタンスで高みを目指してゆくワイルズの挑戦は読んでいてわくわくした。ワイルズによる証明の原文は読んでもどうせ1mmも理解できないに違いないのだが、一般人にこれだけ面白く読ませる著者サイモンシンは只者ではない。また、それを非常に滑らかで完全に自然な日本語に訳した青木薫氏も只者ではない。もちろんワイルズという天才数学者は言うに及ばず。歴代の数学者も合わせて凄い人たちの努力によってこの文庫本「フェルマーの最終定理」が出来ているわけで、これに出会えて幸せだった。今更ではあるがこの本は高校生ぐらいのときに読んでいればよかったかなとも思う。

フェルマーの最終定理 サイモンシン 青木薫訳
2017-#13
9/15-9/20
評価:19 star (5,5,5,4)
形式:文庫本
頁数:495
出版社:新潮社
ISBN-13:978-4102159712
発売日:2006/5/30
定価:835円(税込み)

2017年9月26日 (火)

ムクドリは日本に何羽いるか?

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 今回のタイトルはGoogleの今年度の入社試験問題である。いやいや、もちろん嘘だが(笑)。今回はこのことについて考えてみたので紹介したい。先月、鴨居駅近くの公園でムクドリの大群を見て、羽を拾って紹介した。この記事。その後の状況が気になったので先日、帰宅途中に同じ公園を訪れてみたところ、ムクドリの姿は全く見られず、いったいどこへ行ったやら。あるいはもう南方へ渡ってしまったかと思っていたが、本日夕方鶴見川土手へ出てみたところ、さらにパワーアップしたムクドリの大乱舞を見ることが出来た。まだ居たのだ。鶴見川の上空を大群が右へ左へ移動しながら飛びまわる。小机方面に向かったり戻ってきたり中山方面に向かったりまたもどったりして結局はパナソニック事業所付近を中心に右往左往している。そうこうするうちにあちらこちらから小群がやってきては合流し群はますます大きくなってゆく。キュルキュルギャーギャーうるさく鳴きながら大変賑やか。昔学生のころ博多湾で見たハマシギやスズガモの群や、アフリカのバッタやホシムクドリの群(これはテレビで)など思い起こしながら首を痛めながら観察・撮影した。切りがないので150枚ほど撮影したところで退散した。
 帰宅後PCで写真2枚目のムクドリの数をざっと概算(ちゃんとは数えてない)してみた。画面全部を数えるのは大変なので群を半分して半分して半分して半分して半分して半分した小さな区画の範囲を数えたところ50頭ほどだったので、50x2x2x2x2x2x2=3200という計算になった(ちょっと雑だが)。
 さて、さらに概算を続けよう。鶴見川の全長40kmにこういうムクドリの群が10箇所ほどあるとしよう。そして、全国に同じような川が1000箇所(神奈川県に20箇所として全国ではその50倍ぐらいと見た)ぐらいあるとすると日本全体では3200x10x1000=3200万羽 ということになる。このムクドリは今から1ヶ月後には2/3が南方に渡るとしよう。残りは日本で越冬するとすると冬季日本で見られるムクドリは約1000万羽、東南アジアには約2000万羽が渡るということになる。
 さらにこれが毎年継続するとするならば、越冬個体のうち半分が生き残り、渡った個体のうち1/3が生き残って再び日本にもどってくるとすれば春の日本にいるムクドリは500万羽+700万羽=1200万羽。600万ペアでそれぞれ平均3羽の子を育てられるとすると秋には1800万羽の子が増えるので合計3000万羽となって大体元の数(3200万羽)にあう。以上、数えぬムクドリの川算用で日本にいるムクドリの数を想像してみた。ご笑納くだされ。
9月23日、鶴見川土手にて

2017年8月28日 (月)

ムクドリの羽

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鴨居駅のすぐ近くにある鴨居西河内公園に最近、夕方ムクドリの大群が集まっているとの情報を得て先日行ってみた。ぎゅるぎゅるぎゃーぎゃーという鳴き声と羽音でそれはもうものすごい騒音で、苦情が出るレベルである。暗くてよく見えなかったが数百はいるのではないか。ケヤキなどの大木だけでなく電線にも鈴なりにとまっていて、下を通っては何が落ちてくるか分からず危ない感じ(笑)。
そこで日を改めて土曜日、午前中に寄ってみたところムクドリの姿は無く代りに公園内にはムクドリのフンと羽が大量に散らばっていたのである。あまりに多くて気持ち悪いほど。だが、これまでムクドリの羽は拾ったことが無かったので、勇気を出して綺麗なものを数枚だけ選んで持ち帰った。家族に見つからないようにこっそりとベランダに隠し、コンデジで数枚だけ撮影。それが上の写真。最長のもので110mm。この羽がどこの羽であるか検討してみたい。便宜上5枚の羽に長いものから①から⑤まで番号をつけてみた。そして5枚の羽と、ものの本の写真や記載をよおく見比べて検討してみた。

まずは①。これは細長く、外弁内弁の幅に差があり、先端が尖るのであきらかに初列風切。サイズ110mmからすると最長初列付近と思われるのでP9P8P7のどれかだと思われる。
次は②。①に比べて短いが、外弁内弁に差があり、先端が尖るのでこれも初列風切だろう。サイズ92mmから推測するとP5P4P3のどれかだと思われる。
③は先端がとがらずに丸みがある。①②に比べて幅がある。外弁先端側にかすかな欠刻があり、淡色になっている。次列風切と思われる。サイズ71mmからすると内側次列S5S4あたりではないだろうか。
④は③よりも先端が四角っぽく、欠刻が見られないがサイズその他の特徴はよく似ている。これも次列風切S5S4あたりではないだろうか。
⑤は軸の根元側では外弁内弁の幅がほぼ同じなのに先端では外弁が細くなっていて、大げさに言うと長方形に斜めに軸がささっている感じ。この形状は尾羽の特徴である。さて、ムクドリの尾羽には先端側内弁に白斑がある。こちらをご参考。ただ中央尾羽T1にはなく、T2にもないことがあるという。⑤にはかすかに白斑が見られる。サイズ70mmも考慮に入れるとT1(あるいはT2)と思われる。

こうしてムクドリと分かった上でまとまった数の羽を拾得できて、なかなか良い経験ができた。しかし、この羽が一枚だけポツンと落ちていたらこう簡単には行かないだろう。

8月19日、鴨居西河内公園にて拾得

2016年10月15日 (土)

足環つきオナガガモの標識鳥回収記録

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まずは昨年のこの記事を見てほしい。鶴見川のカモ広場で足環付きのオナガガモ♂を見つけたという話。そして、次のこの記事で苦労しながら足環のナンバーを読みとったのだ。この記事にけいさんからコメントを戴き、山階鳥類研究所への報告をお勧めいただいたので、さっそく正月のうちにメールで報告しておいたのである。それから9ヶ月、この件はすっかり忘れていたのだが、この度山階鳥研から封筒が届き標識鳥回収記録として正式登録されたということが分かった。また回収記念にヒドリガモの素敵なステッカーが同封されていた。

さて、記録によるとこのオナガガモ♂は2001年11月に埼玉県越谷市の鴨場にて宮内庁の方によって足環をつけられたのだという。すると14年後に回収というか観察されたということになる。2001年の時に年齢不詳だったので少なくとも14歳以上ということになる。カモの寿命が結構長いことに驚く。この回収記録によってほんの少しでも日本の鳥類の研究に役に立ったかなとも思う。けいさんのコメントがなければこの展開は無かったので、多謝>けいさん
さて今年もそろそろカモ渡来の時期なので気をつけて探したいと思う。足環クンだけではなく、先割れクンも。

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